バクテロイデス属(Bacteroides)
バクテロイデス属の特徴
(Bacteroides)
バクテロイデス菌と言われれば
一般的にに痩せ菌として知られています
偏性嫌気性菌(酸素があると死滅する菌)ですが
偏性嫌気性菌の中では
比較的酸素耐性がある方だと言われています
抗炎症作用のある
インターロキシン-10(IL-10)産生に
作用している菌もいます!
海苔を分解できる特別な菌
生の海苔を分解できる
バクテロイデス・プレビウスはご存知の方も
いらっしゃると思いますが
この菌は、日本人の約30%の
人が保有していると言われています
バクテロイデス・プレビウスが持つ
海苔を分解してくれています
欧米人の腸内にもバクテロイデス・プレビウスは
いるのですがこのポルフィラナーゼを分泌する
遺伝子は見つかっていません
つまり、菌も進化の過程で
日本人特有の進化をしているということで
生の海苔を食べる習慣がない欧米人には
分解できない
これは完全な私の考察なんですが
帝王切開で母親からこの菌を
もらえなかった人は
おそらくこの菌を保有率が低いのではないかなと
あくまで推測ですが思っております
論文見つけたら記事にします
ちなみに、この菌を持っていなくても海苔を
焼けば大丈夫です!
注意点
勉強していくと
バクテロイデス菌って痩せきんじゃなかったの?
いい菌じゃないの?
と疑問に思うことがあり
矛盾を感じることが多々あったのですが
生物の分類上
分類を人で言うと
バクテロイデス門 → 脊椎動物門
Bacteroidetes
バクテロイデス綱 → 哺乳綱
Bacteroidetes
バクテロイデス目 → 霊長目
Bacteroidales
バクテロイデス科 → ヒト科
Bacteroidaceae
バクテロイデス属 → ヒト属
Bacteroides
細菌は属の下に → ホモサピエンス
株があります
※ヤクルトさんで言うと
このようにバクテロイデス門の菌が
痩せ菌と言われても
枠組みが大きすぎて矛盾が出たりするので
分類は何なのか確認する必要があります
昔は、解析するのにもお金がかかっていたため
分類上、門までの解析や目までの解析と
正確性が乏しかったのですが
解析方法も前より安くなり
また属や株まで解析できるように
進化してきていているので
読むなら最新の本や論文を読むことを
オススメします。
現在はショットガンメタゲノム解析なんかを
使うと株まで特定できるので
解析方法どんなの使ってるのかなと
見てみるのも楽しみの一つですね
アッカーマンシア(Akkermansia)
アッカーマンシア属の特徴
(Akkermansia)
アッカーマンシア・ムシニフィラ
(Akkermansia muciniphila)は
腸壁を覆う厚い粘液層(ムチン層)の
表面に棲んでいます。
この菌は、ムチン層を食べることで有名ですが
ムチン層に働きかけムチン層を厚くすることが
分かっています
アッカーマンシア・ムシニフィラが多いと
① リポ多糖(LPS)が、体内に入ってくるのを
防いでくれる
※リポ多糖は、体内の炎症に関連があります。
マウスで認知症の実験をする際
体内に入れると認知症の症状をすぐに出せるため
認知症の研究に多用されています
② レプチンへの感受性が高くなる
※脂肪細胞から分泌される食欲を抑制させるホルモン
③ インスリン抵抗性が改善させる
※血糖を下げる仕組みで
すい臓のベータ細胞で作られるホルモン
ちなみに人間に備わっている血糖値を下げる作用は
インスリンのみです
④ 小児喘息やアトピーのリスク軽減
※ある研究では
アッカーマンシア、ビフィドバクテリウム
フィーカリバクテリウムが少ないとリスクが高くなり
これらの菌が少ないとカンジダ菌が悪さをし
アレルギー疾患に直接的な影響を与える
可能性が示唆されています
⑤ 痩せている人に多い
※要するに太りやすい人に多い
アッカーマンシアムシニフィラが
いない場合の太りやすいメカニズム
①アッカーマンシア・ムシニフィラが少ない
↓
②ムチン層が薄い
↓
③体内(血液中)にリポ多糖が入り込み
脂肪組織に炎症を生じさせる
↓
↓
⑤代謝が低下(やる気もなくなります)
↓
⑥太る
超低糖質ダイエットで
やる気がなくなる原因の一つでもあります
フィーカリバクテリウム属(Faecalibacterium)
フィーカリバクテリウム属の特徴
(Faecalibacterium)
極端に酸素を嫌う嫌気性細菌
健康長寿の菌として知られている
腸内で他の腸内細菌が発生させた短鎖脂肪酸の酢酸を使って酪酸を作り出す
主な酪酸産生細菌
フィーカリバクテリウム【代表格】
ブチリシモナス(Butyricimonas)
コプロコッカス(Coprococcus)
ロセブリア(Roseburia)
ブチリシコッカス(Butyricicoccus)
疾患との関連
炎症性腸疾患
大腸癌
これらの患者には、フィーカリバクテリウム属が
少ないことがわかっています
注意すべき点は
フィーカリバクテリウムが少なかなったため
これらの疾患になるのか
疾患になったため
フィーカリバクテリウムが少なくなったのかは
解明できていません。
慢性コルチゾール対策には、あれが効く!
本日は、慢性的なコルチゾールを
どうにかならないかなと論文を漁っていたら
良さげな論文(参考文献)を見つけました
これは試験ストレスに直面している
18〜24歳の学生80人を対象にした実験です
プラセボグループと
多菌株プロバイオティクスグループを
ランダムに分けてそれぞれ1日2回
28日間経口投与されております
結果はと言いますと
多菌株プロバイオティクスグループのストレスは
プラセボグループと比べて大幅に低下したことが
わかりました。
この論文をどう使う?
私は、減量のイライラにプロバイオティクスを
使っていますが
女性は生理でのイライラ
家事、育児、仕事のイライラなんかの
軽減にオススメです
子育て中の奥様にプレゼントされてみては
いかがでしょうか
因みに
慢性的なストレスは
身体のどこかに原因不明の痛みが出始めると
かなりヤバ目なのでお気をつけてください
私が現在使ってるプロバイオティクスです
使われたストレスチェック方法
知覚ストレススケール(PSS)
うつ病不安ストレススケール(DASS)
状態特性不安インベントリー(STAI)
アンケートを使用
血清コルチゾールを測定
多菌株プロバイオティクス
バチルス・コアグランス・ユニークIS2
ラクトバチルス・ラムノサスUBLR58
ビフィズス菌 ・ラクティスUBBLa70
ラクトバチルス・プランタルムUBLP40
現在わかっている菌の特徴を
過去に書きましたが
今後どんどんアップデートしていきます
ではまた!
参考文献