タバコを吸うと食物繊維の効果を得られなくなる研究
喫煙者の腸内細菌について論文【1】が
ありましたのでまとめました
この論文は、249人を対象にした
バングラディシュの縦断研究で
微生物DNAは糞便サンプルから抽出され
16SrRNA遺伝子解析を実施しております
結果なんですが
エリュシペロトリクス綱(Erysipelotrichi)と
カテニバクテリウム(Catenibacterium)が
非喫煙者と比べて優位に増加しており
非喫煙者と喫煙者との間
喫煙者の中でも喫煙量で
腸内細菌叢の変化が関連している
という結果が出ました
なんのこっちゃわからないと思いますので
少し噛み砕いて説明しますね
まず菌の説明
①エリュシペロトリクス綱(Erysipelotrichi)と
②カテニバクテリウム(Catenibacterium)
これらはどんな菌かと申しますと
①エリュシペロトリクス綱
デブ菌で知られているフィルミクテス門に属し
好気又は通性嫌気性(酸素がないと生きられない菌)です
この菌が増えると何がいけないかと言いますと
酸素がないと生きられない菌で
主に小腸に生息していますが、
この菌が小腸で異常増殖すると
SIBOになってしまい
食物繊維を摂取すると お腹が異常に張る
という症状が出てしまいます
その結果、食物繊維を摂らなくなり
腸内細菌の多様性が失われてしまいます
タバコに含まれるニコチンが脳の視床下部に
作用し 痩せやすくなるという事もありますが
タバコを辞めると太りやすくなる原因としては
どうやらデブ菌が増えたことに関係している
可能性もありそうですね
②カテニバクテリウム
これは初めて聞いた菌だったので
色々調べましたが
犬の腸内細菌叢の研究論文【2】で
攻撃的な犬には
カテニバクテリウムが多く存在する
という研究がありました
犬の研究なので
人に当てはまるかはわかりませんし
神経伝達物質の影響もありますので
今のところなんとも言えませんが
喫煙者のイライラは、腸内細菌も
関係していると言えそうです
別のマウスの実験【3】でも
タバコの煙に4か月間曝露した後のマウスは
抗酸化能力が低下し
大腸(盲腸内容物)で短鎖脂肪酸を
うまく作れなかった という結果が出ております
上の論文【1】と照らし合わせてみても
小腸で食物繊維が使われ
短鎖脂肪酸が作られる
その結果、大腸に食物繊維が届きづらく
本来大腸で作られるはずの短鎖脂肪酸が
うまく作られない、
というのも納得です
この短鎖脂肪酸は抗酸化作用や抗炎症作用に
深く関わっていますから
風邪を引きやすかったり
身体の怠さに繋がったり
筋トレにもかなり影響あるのは
言うまでもありません
私は、どんなにすすめられても
タバコは吸わないかなぁと
ではまた